今日、YouTubeで、ふとしたことから、麻生よう子「逃避行」を聴く。レコード音源をデジタル化して投稿されたもののようだった。そのため、レコード特有のノイズも混じっていた。
自分にとって、この「逃避行」という曲は、思い出の曲である。小学生低学年の頃、テレビで聴いたことがあるらしく、イントロの「あのひとから言われたのよ、午前五時に駅で待てと」というフレーズが、大人になるまでずっと頭の中に残っていたのである。しかし、その曲を歌った歌手が誰で、何と言うタイトルの曲かは、どうしても分からずにいた。
高校生ぐらいの頃、一度、両親に、イントロのフレーズを歌ってみせて、何という曲かと尋ねたことがある。そのとき、両親は、「その曲は、ちあきなおみの歌った曲だ」と答えたのだが、自分は、「それは違う」と思っていた。
結婚してから、妻にそのことを尋ねたところ、麻生よう子の「逃避行」という曲であることを教えてくれた。(妻は自分より少し年上で、その分、昔の歌謡曲のことを良く覚えているのである。)作詞は千家和也、作曲は都倉俊一である。「逃避行」の歌詞は、以下の通りである。
「逃避行」
あのひとから言われたのよ
午前五時に駅で待てと
知らない街へふたりで行って
一からやり直すため
あのひとから言われたのよ
友達にも打ち明けるな
荷物をつめたトランクさげて
また空いた汽車を空いた汽車を
見送った
昨日の酒に酔いつぶれているのだわ
おそらくあのひとのことよ
それがなきゃいい人なのに
あきらめたわ私ひとり
キップ買う
自分は、子供心に、「なぜこの女の人は駅で待っているのに、男の人は約束どおりに駅に来ないのだろうか」と考えていた。そして、「この女の人は、男の人にだまされているのではないか」と考えたりしていた。確かに、何となくさびしい感じがするイントロである。
どうでもいいことだが、自分は、一生に一度でいいから、女性に、「午前五時に駅で待て」と言ってみたいものである。(別に、今の妻と息子との生活に不満があるわけではないのだが。)そのことを妻に言うと、「今は、男の人が駅で待っても来なかったら、すぐに携帯で連絡を取るから、この歌のような状況は発生しない」と言われた。
今日、自分は、職場から持ち帰った仕事の続きを自宅でしようと思ったのだが、結局、何もできなかった。
自分は、今、二つの悩み事を持っている。
一つは、職場の仕事が、思ったようにはかどらず、期限までに仕上がりそうにないことである。自分は、今、NVIDIA社の開発したプログラム言語CUDAで、幾何光学ソフトウェアを並列化する仕事を担当している。プロジェクトで決められている期限は、五月末である。
しかし、自分は、このCUDAという言語を、なかなか使いこなせないでいる。CUDAのプログラムそのものの書法は何とか理解できたのだが、nvccでcompileする際、リンクのオプションの仕方が良く分からず、作業が進まなくなっている。
二つ目は、量子暗号の研究が、ある難しい問題にはばまれて、先に進めなくなった事である。自分は、Eveのincoherent attackに関して分析を進めてきた。しかし、自分が調べたEveの盗聴戦略は、ある特殊な一群に過ぎず、一般的なEveのincoherent atackを網羅していないようであった。自分は、一般のEveのincoherent attackは、自分が調べた盗聴戦略の一群のどれかに、実質的に等価であると見込みを立てていた。しかし、それを厳密に証明できないでいる。
夕食時に、妻に、自分は以上の二つについて悩んでいると話すと、妻は、「仕事の方から先に手をつけるべき」と言った。量子暗号の問題の方は、別に、義務でやっている訳ではないので、後回しにしても、誰にも迷惑をかけないから、と言った。確かにそうである。自分は、仕事の方を優先させるべきである。
今日は何もしなかった。きっと疲れがたまっていたのだろう。仕事は、明日から始めれば良いと考えた。
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